「コバエがホイホイ」 本当の使用上の注意とは

僕は品川区の中延商店街の近くに住んでいる。

この街に来て、3度目の夏を迎えようとしている。

活気のある商店街で、七夕祭りサマーセールが開催されているのを今年初めて知った。

何十年も変わっていないであろう横断幕のカラーリング。
昭和を彷彿とさせる字体。
この街の、こういう所が好きだ。

目玉商品として液晶テレビとか、電動式自転車が当たるらしい。

結構、気合入れてやってんのなあ。

ぼんやりと眺めていた。すると、あることに気づく。


ん!?
あれ!?
どういうことだ!?

拡大図

鈴虫を先着100名にプレゼントしてくれるらしいよ。

だけど、今の子供はWiiやらDSやらやって、夏休みを過ごすわけで。

鈴虫いるのかな?

コオロギと鈴虫の差がわかるかな?

ナスとかキュウリを爪楊枝にさしてみるのかな?

おばあちゃんが商店街でせっかく当たったので、孫に持って帰ったら

「ババァ!気持ち悪りぃもん、当てて帰ってくんじゃねよ!!」

とか、内弁慶な孫がどっかで暴れたりしていないかな。

一人心配していたけど

この街の、こういう所が好きだ。

  • 僕を襲った悲劇

虫といえば、家でよくわからない虫をみかけるんだ。
たぶん、小バエだろうと、CMでみたことのある商品の購入を検討していた。

コバエがホイホイ

コバエがホイホイ


1週間ほど前に買ったんだ。
それが、悲劇の始まりだったとは知らずに・・・


〜1日目〜

なんだろう。毎日が楽しみになった。

「いつ入ってるのかな、ワクワク。」

そんな思いが、僕をハッピーにさせる。

カブトムシを捕るために仕掛けを作ってじっと待っている、そんな気分だ。*1

〜2日目〜
仕事もつらいけど、帰り道には「コバエがホイホイ」のことを思い出す。

家に帰って真っ先に覗き込む。

まだ入っていない。

〜3日目〜

一向にコバエは入ってない。

設置前は毎日見てたのになあ、おかしいなあ。

コバエこないかなあ。

そうだ、バナナの皮を放置してみよ。

〜4日目〜

そんなことをしているうちに、ついに、あの虫が現れた。

やった!ついに「コバエがホイホイ」にも出番が!

もうちょっとだ、もうちょっとだよ!

〜5日目〜

昨日の夜のことだ。

ワクワクして家に帰る。

「コバエがホイホイ」をいつものように覗く。

なんだ?

茶色い点のようなものが・・・

中にくっついているぞ!

これはまさか!

いやっほーい!!

ついに、ついにやったぜ!

はははー!


喜びのあまり、イラスト化される大仏

まるで夏休みの宿題を終えた、あの時のように、僕は狂喜乱舞した。


「カサカサ・・・カサカサ・・・」

ん?なんだろう?


部屋に聞きなれない音がする。

なんだ?この音は。

壁に目をやると、茶色い大きな虫が這っている。

なんだ、あの触覚の長い虫は?

あぁ、そうか。鈴虫だ。

鈴虫はコオロギより触覚が長いんだ。

昔、図鑑で見たことがある。

それにしても、何で鈴虫が僕の部屋にいるのかな?

そうだ。商店街の景品で当たった鈴虫を、内弁慶の孫が逃がしてしまったのだろう。

いかんな、最近の子供たちは。年長者を大事にしないし。

ゲームばっかやって、命の大切さも知らないのだろうか!!

しょうがない、この鈴虫は僕が飼おう。

爪楊枝にキュウリをさして、虫かごにセットするとそれっぽくなるだろう。

と、つぶやきながら僕は、ゴキジェットを噴霧していた。
鈴虫あらため、ゴキブリは死んだ。

  • 本能を揺さぶられる、「コバエがホイホイ」

僕は、間違っていたのだろうか。

人間としての本能が、清潔な部屋よりも「獲物を捕らえる喜び」を選んでしまった。

それによって、コバエ以上の脅威であるゴキブリがやって来てしまった。

目的を見誤った人間は、とても愚かである。

今回、人間の本能に踊らされた僕は、また一つ成長した。


そこで、僕のような愚かな人間が生まれないために・・・

アース製薬さんは使用上の注意にこう書いて、注意を促して欲しい。

「コバエが取れない場合、その部屋は清潔な証拠です。

間違っても、コバエを発生させるために不衛生な環境を作ろうとしないでください。

ってか、そんなことしたら本末転倒だよバーカ!」


こんな悲劇が2度と生まないことを、切に願う。

*1:考えてみると、僕はこんな経験をしたことがない。ぐるナイを毎年見て、自分が体験したように感じているのだ。ありがとう、90年代TV。